2019-11-11

スマートスピーカーが日本で普及しない理由とは

Amaonの「Amazon echo」、Googleの「Google Home」が日本に上陸した2017年はスマートスピーカー元年と言われる。

それから、様々なテック企業が続々とスマートスピーカーを発売し、例えばLINEが「Clova Wave」、アリババが「天猫精霊(ティエンマオジンリン)」、Appleが「HomePod」、Baiduが「Raven H(今は販売終了、Xiaoduという別のラインナップ製品が販売)」を発売した。

加えて、BOSE、SONY、オンキヨー、JBLといったオーディオブランド各社もテック企業の音声認識エンジンを搭載したスマートスピーカーを発売している。

では、スマートスピーカー元年から2年が経過した今、スマートスピーカーは私たちの生活にどれほど浸透しているのだろうか。

スマートスピーカーが、私たちの手や足となって、人が日常的に行ってきた動作、例えばテレビ・エアコンといった家電の操作、ニュース・天気の確認を代行してくれているのだろうか。

あるいは、全くその逆で、期待してスマートスピーカーを購入したものの、テレビ・エアコンのリモコンを取りに行くのはそんなに遠くないし、ニュースや天気の確認もスマホで充分だ、ということもありうるのではないか。

その結果、ついには音楽を再生するだけのスピーカーになってしまってはいないだろうか。

本記事では、スマートスピーカーの現状を整理する。

世界のスマートスピーカーのプレイヤーとシェア

テクノロジー分野に強みを持つ市場調査会社Canalys(カナリーズ)が2019年2月に発表した調査結果によると、2017年のスマートスピーカーの出荷台数は3,470万台で、2018年は7,800万台に達したという。

成長率でいうと、125%という結果だ。

また、同調査結果によると、2018年時点の各メーカーのシェアは以下の通りだったという。

2017年と2018年のスマートスピーカーシェア

予想通りではあるが、Amazonが2,400万台(31.1%)、Googleが2,300万台(30%)と2社で世界の販売台数の6割を占めている。

他の4割はアリババ、Xiaomi、Baidu、Othersだ。ちなみにAppleはOthersに含まれる。

そして2019年現在、各社の競争はどうなっているのだろうか。Canalysが2019年5月に発表した2019年第1四半期(2019年1月~3月)の時点では以下の通りだった。

2019年第1四半期のシェア

2018年では、Amazon、Google、アリババという並びだったが、2019年の第1四半期では、BaiduがGoogleに肩を並べている。Baiduが旧正月に中国版紅白歌合戦の独占的なスポンサーを結び、放映中に1億万枚以上のクーポンをばらまいたことがBaidu躍進の背景だと分析されている。

なお、Baiduが発売しているスマートスピーカー「Xiaodu」のベーシックタイプが89元で、日本円で約1350円(1元を15円で計算)という安さも躍進の要因として挙げられるように思う。

2019年第2四半期(2019年4月~6月)になると、Baiduはさらに躍進を続け以下の通り、ついにはGoogleを抜く。

2019年第2四半期のシェア

調査会社のCanalysによれば、Googleが2019年5月から打ち出しているホームIoT製品を「Nest」ブランドに統一したことが失策であるという。事実、2018年の第2四半期と比較して、出荷台数が落ち込んでいるのはGoogleのみである。

しかし、CanalysはGoogleとBaiduはそれぞれが戦うスマートスピーカーの市場が被っていないため、重要性はあまりないと結論づけた。

成長する市場に反する所有率

2017年から2018年にかけて、スマートスピーカーの出荷台数が1.25倍に増加した、というのは前述した通りである。

ではスマートスピーカーを使っている人はどれくらいいるのか。

2019年3月にVoicebotとVoicifyが行った調査によると米国ではスマートスピーカーの総数は1億3,300万台といわれる。人口が3億2775万人なので、所有率は約40%くらいになる。

日本はどうか。

2019年2月に電通デジタルが、全国の15歳~69歳の男女個人を対象としたインターネット調査の結果を発表した。それによると、スマートスピーカーの認知率は76%である一方、所有率はわずか5.9%であったという。※トップ3はGoogle Home(2.9%)、Amazon Echo(2.4%)、Line Clova(0.9%)

さらに、所有者のなかでも、生活がどう変わったかを調査すると、音楽を聞く(75%)、天気予報を聞く(61%)、アラーム/タイマー機能を使う(55%)が上位を占める。

スマートスピーカーのユースケースとして紹介されることの多い、家電操作については15%と意外に低い数値になっている。

スマートスピーカーは、なぜ日本では流行らないのか

アメリカの所有率45%に対して、日本の所有率はわずか6%程度にとどまった。その原因とはなんだろうか。

確実な回答というのは存在しないが、いくつか仮説がある。

日本は書く文化、アメリカは話す文化

例えばGoogleで一番使われていないツールはメールである。

メールでは細かいニュアンスを伝えきるのは難しい。知恵を絞って細部まで伝わる表現を考えついたときには、思いがけず時間が経ってしまっているということもある。

対面で会ってみるか、電話するかしたほうが、確実な意思疎通ができ、時間もあまりかからないケースも多いだろう。

反して、日本人は口頭で言えば良いようなことも、わざわざメールにしてしまう傾向があるという。

もちろん定量的なデータがないので鵜呑みにはできないが、身の回りでそのように感じた経験はないだろうか。

もし、こうした傾向が実際にあるのだとすれば、それは良いか悪いかではなく、スマートスピーカーが普及する際の障壁にはなると考えられる。

スマートスピーカーは曖昧な指示では動かない

スマートスピーカーに何かをお願いするときは「やっておいて」といった曖昧な表現は避けなくてはならない。

その指示を出す際にどう話しかけるかを考えなくてはならないところに、難儀さを感じるということはないか。

しかし、こうした難儀さも徐々に解決されていく兆しはある。

例えば出前館を運営する夢の街創造委員会株式会社は、今月からアレクサを搭載したスクリーン付スピーカーの「Echo Spot」「Echo Show」に「アレクサ、出前館でいつもの」と話しかけるだけで、出前館の注文履歴から再注文できるようにする。

出前館とアレクサの連携

公式サイト

もっとも、事前にAmazonアカウントでAmazon Payの利用設定をしておく必要はある。

スマートスピーカーでユーザーの生活は変わらない

スマートスピーカーができることを、思いつく限り挙げなさいと言われて、いくつ思い浮かぶだろうか。

音楽・ラジオの再生、天気・ニュースの確認、アラーム・タイマーの設定、家電操作、インターネット検索くらいだろうか。

考えてみれば、これらは人がやってきたことで、それをスマートスピーカーにやらせるかどうかということになる。

つまり自分のタスクの一部をスマートスピーカーにアウトソーシングしているだけなので、生活に変化は起きない。

前記、電通デジタルの調査では、スマートスピーカーにあったらいい機能についても調査されている。あったらいい機能としては、以下のようなものがあった。

それぞれの機能が実装されると、本当に良いのかどうかは分からない。しかし、少なからず、ユーザーが求めているのは、スマートスピーカーが、ユーザーの趣味・嗜好性・感情・行動・使い方といった様々な特徴を学習し、機能が変容していくパーソナライゼーションではないだろうか。

さらに、今まで「OK Google」といったスマートスピーカーが反応する際のフックになるホットワードを、ユーザーが口にしなければいけなかったが、パーソナライゼーションする過程で、だんだんとスマートスピーカーからユーザーを支援するようになったらどうだろうか。

月曜日から金曜日は、毎朝6時にアラームをセットし、起床後、カーテンを開けて、テレビをつける。その間に、ニュースを聴きながら決まったブランドのコーヒーを淹れるためのお湯を沸かすといったルーティーンワークをスマートスピーカーが学習する。

すると、月曜日から金曜日はユーザーがいちいちセットしなくてもアラームが鳴る。起床と同時にスマートスピーカーと接続しているカーテンが自動的に開き、テレビも着く。湯沸かし器とも連動しているので、コーヒーを淹れようと思ったときにはお湯が沸いている。

さらに、決まったブランドのコーヒーの豆・粉が少なくなってきたら、「少なくなっています」とアラームをする。もちろん自動で注文するという選択肢もある。

ユーザーが仕事を振ってから動き出すのではなく、スマートスピーカーがユーザーを学習し、機能を変容させ、指示待ちではなくなっていくことで、スマートスピーカーが私たちの生活に普及していくということは考えられないだろうか。

記事提供元

IoT NEWS
https://iotnews.jp

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横浜市

「未来の家プロジェクト」は横浜市が立ち上げた「I▢TOP(アイトップ)横浜」の個別プロジェクトの一つであり、IoTスマートホームを用いた実証実験を通じて、高齢者の独り暮らしや災害時の対応といった社会課題の解決や新規ビジネス創出を目指します。また、横浜市は本プロジェクトに協業していただける企業への呼びかけや実証実験の場の提供に向けた調整を行います。

I▢TOP横浜とは、横浜市が2017年4月に立ち上げた横浜経済の強みである「ものづくり・IT産業の集積」を活かし、IoT等を活用したビジネス創出に向けた交流・連携、プロジェクト推進、人材育成等の場となる「IoTオープンイノベーション・パートナーズ」のことです。

株式会社NTTドコモ

様々なメーカーのIoT機器を一元的に管理、制御可能なIoTアクセス制御エンジン技術を、セミナーなどを通じて提供するとともに、実証実験施設として「IoTスマートホーム」を提供しています。また、IoT機器メーカーなどと協力し、IoTアクセス制御エンジン技術を活用した数多くのIoTサービスの創出を支援してまいります。

and factory株式会社

日本初のスマートホステル「&AND HOSTEL」のプロデュース経験とプラットフォームアプリ「&IoT」の開発実績を活かし、IoTスマートホームの居住者のユーザー体験設計と、居住者に便利に快適に生活してもらうためのアプリ開発を行っております。また、今後協業する企業との事業検討、企画を行い、実証実験から事業化を推進し、IoTスマートホームを普及させていく役割を担っています。

富士通コネクテッドテクノロジーズ

長年のスマートフォン開発で培ったセンシング技術、音声認識技術を応用し、居住者に健康な生活を送っていただくために、居住者の健康状態(ストレス、血管年齢、心拍数)を測定しアドバイスを提供するデバイスを開発を行いました。健康をアドバイスするエージェントデバイスをIoTスマートホーム内に設置しております。

相鉄グループ

相鉄沿線での低未利用地を活用し、実証実験の場を提供するほか、相鉄グループの各事業との連携も含めて協力してまいります。相鉄グループは、”相鉄いずみ野線沿線 環境未来都市”「誰もが住みたい、住み続けたいと思える持続可能なまちづくり」に取り組んでいます。 今後も沿線の魅力や暮らしやすさを高める取り組みを関係者と一体となって実施してまいります。

凸版印刷

凸版印刷は、「住まいは、くらす人と対話する存在へ」をコンセプトに「トッパンIoT建材シリーズ」を開発しております。本プロジェクトでは、開発中のトッパンIoT建材シリーズをIoTスマートホームに導入し、さりげなく「見守り」、「居住者が家と対話」をしながら便利にくらすなど、建材としてストレスフリーな生活を支える検証をしてまいります。

foo.Log

自社サービスで蓄積した食事に関する膨大な記録データと東京大学と共同研究している最先端の画像解析技術を元に写真に写った食事メニューを推定する機能と食事に関連するアドバイスを提供する機能をIoTスマートホームに提供しています。今後はIoTスマートホームで蓄積した新たなデータから、IoT機器と連携した使いやすい機能の開発を進めて参ります。

資生堂

デバイスで操作できる化粧品吐出デバイスを設置し、他の各種環境センシングおよび生活行動ログ等との関連性を検討することで、美容のよい空間をづくりを目指してまいります。

グリーンブルー

環境調査、環境モニタリングで培った測定技術をベースに、各種測定器、センサーを用いて、IoTスマートホーム居住者の日常生活に伴う環境影響(PM2.5、CO2、VOC等)を測定し、収集データの解析・評価をしています。快適な住環境の創造に向けて、“空気”の視点から各社デバイスとの関連性を追究し、新サービスの創出に取り組んでまいります。

三和シヤッター工業

社会のニーズや生活スタイルに適応した商品をラインナップすることに積極的に取り組み、より良い未来の住環境づくりに協力したいと考えております。本プロジェクトでは各種デバイスで操作できる窓シャッターを提供しています。

SMK

これまでのコネクタ、タッチパネル、スイッチ、リモコン、RF通信モジュールなどの主力ビジネスに加え、最近の取り組みとして、パートナー様との協業やオープンイノベーションの推進によるIoT関連の新規事業創出を積極的に進めています。本プロジェクトでは、BLEを利用した「見守りセンサー」を設置し、お部屋にいる方の活動の有無や出入りをモニターするシステムをご提供しております。

アイホン株式会社

アイホンはインターホン専門メーカーとして、住まう人一人ひとりが快適で安全に過ごせるコミュニケーションシステムを提供しています。このプロジェクトではIoTスマートホームとインターホンがつながることで新たなサービスを創出し、魅力ある製品開発へ活かしてまいります。

株式会社アロマジョイン

世界初の香り制御装置「アロマシューター」の開発・製造及び販売

株式会社ニチベイ

当社は、ブラインド・ロールスクリーンと間仕切りの専門メーカーです。光と熱のコントロールを通じて「快適な住空間づくり」に取り組んでいます。本プロジェクトでは、当社の電動製品を様々な機器と連携することにより、窓まわりのIoT化に貢献してまいります。

株式会社フィッツコーポレーション

「豊かさが香るものづくり」をビジョンとし、オリジナルブランドのフレグランスアイテムの企画開発・販売、海外ブランドの日本正規代理店として輸入・販売を行う。現在約40ブランドを取扱い、百貨店からコンビニエンスストアまで幅広い流通展開が特徴。現在、「快適な眠り空間をサポートする香り」を杏林大学脳科学 古賀教授とともに、「眠りと香り」について被験者テストなどを通じて開発中。