2018-12-11

若年層で顕在化し始めた、スマートウォッチ需要の変化

2014年にAndroid WearやApple Watchが登場してもうすぐ5年になろうとしている。

昨年eSIM対応のApple Watchが発売され、今年、Android Wearが「Wear OS by Google」に変わるなど、少し新しい動きが見えはじめている。

そんな中、2014年当時に比べると注目度は下がっているが、生活者においてもスマートウォッチに対する需要の変化が確認できた。

現在のスマートウォッチ普及率は約4%程度で、AIスピーカーの半分程度の普及率である。マジョリティ普及の指標と言われる16%(普及曲線理論のキャズムと言われる分岐点の数値)には程遠い状況だ。

若年層で顕在化し始めた、スマートウォッチ需要の変化

私自身もスマートウォッチを何台か利用してみた経験があるが、結果的に利用をしなくなってしまった。

黎明期のスマートウォッチはサイズが大きく、デザインや装着感の課題や、省電力化のためディスプレイがスリープしてしまうことで、スマートウォッチを見た瞬間に時間がわからないという致命的な問題があった。

腕時計としての基本機能が劣る状況で、日々充電が必要ということや、常にスマホとbluetoothで繋がるため、スマホの電池の消耗も増えることもあり、自動巻きの機械時計で、いつでもすぐに時間がわかる状態に戻した。つまり、毎日腕時計をしている人からすると、腕時計の基本機能である、いつでもすぐに時間がわかるという当たり前のことが満たされなくなると、新しい機能が複数追加されていたとしても日常には耐えられないということだ。

このような課題を抱えていたスマートウォッチだが、現在、電池問題や時計表示問題含めた、様々な課題が解決されてきている。

実際、スマートウォッチの利用意向を聴取すると、現時点では4人に1人が使ってみたいと回答し、若年層になるほど高い。特に10代男性では約半数が利用したいと答え、10代女性でも30%を超える利用意向がある。

若年層で顕在化し始めた、スマートウォッチ需要の変化
注目したいのはその意向理由だ。

AppleWatchを欲しがっている学生になぜAppleWatchが欲しいのかを聞くと「スマホを見なくても時間がわかるから便利」と答えた。

腕時計をしていない人にとってみれば、スマホで時間を確認することが当たり前になっていたのだ。

もちろんこのことは認識してはいたが、きちんと着目していなかった。

若年層で顕在化し始めた、スマートウォッチ需要の変化

スマホの大画面化や高機能化、そして提供機能のリッチ化のもで、単純かつ頻繁に使う、「単に時間を確認する」ということや、「メッセージの内容を見る」といった機能の利便性は変わっていない。

「ゲームをする」、「買い物をする」のと同じように、「時間を確認する」ために、鞄からスマホ出して、画面をONにするというアクションが面倒と感じるようになるのは必然である。

特にスマホ利用頻度が高く、さまざまな機能を利用している若年層からすると、時間くらいは、わざわざスマホを見ないでも確認したいと思うのだろう。

もちろん、スマートウォッチを欲しがる理由はそれだけではない。

スマホの利用実態を調べていく中で、メッセージがたくさん届く人たちがどのようにやりとりをしているか確認した際に、様々な工夫をして効率的に処理していることがわかった。

例えば、女子高生は、iPhoneの3D touchを使うと既読にならずにメッセージが確認できるということで、すぐに返信すべき内容かどうかを通知と3D touchで確認し、後でも良いものは既読にしないという「捌き方」をしている。

社会人がメールをフォルダに振り分けたり、後で再度返信するものを未読に戻すようなことと同様のアクションだ。

ここで、スマートウォッチも既読にならず、メッセージの通知である程度内容を把握できる。つまり、いちいち通知が来るたびにスマホで内容を確認する必要が無くなるのだ。

時間確認もメッセージ通知もスマホに触れずに済むようになることが、スマホ依存度が高い若年層にとって魅力的に感じる要素ということだ。

若年層で顕在化し始めた、スマートウォッチ需要の変化

つまり、スマートウォッチは腕に装着する「ミニスマホ」であるとともに、腕時計の選択肢の一つになっているといえる。

特に腕時計を習慣的に着用していない人からすると、最も高機能な腕時計がスマートウォッチということになる。

ガジェットとして見ていたスマートウォッチが、スマホネイティブな世代では腕時計の1つになっていることから、販売方法次第では急速に普及することもあり得るだろう。

ガジェッターではない若年層における、生活実態と利便性の視点から、理に適ったスマートウォッチニーズを顕在化させている。スマホで当たり前だった機能が、切り出されていく流れで見えた、ポストスマホ時代を感じる兆しの1つでもある。

調査概要

記事内でご紹介した調査データはIoTNEWS生活環境創造室メンバーの自主調査によるものです。

調査項目

記事提供元

IoTニュース:IoT NEWS
https://iotnews.jp

関連記事
タグ
IoT NEWS
IoT/AIに関する事例と最新ニュース、インタビュー、知見など、企業のデジタルトランスフォーメーションに役立つ情報を提供いたします
関連記事
ランキング
タグ一覧
マガジン
未来の家PJ
人気の記事を集めました
未来の家 マガジンのキーワード一覧
&ANDHOSTEL(2) AI(50) Alexa(8) amazon(8) Amazon Alexa(1) amazonecho(8) andfactory(2) Apple Watch(1) AR(2) Baby Tech(1) babytech(1) CES(1) googleアシスタント(1) I・TOP横浜(1) IoT(129) IoTウォーターサーバー(1) IoTおもてなし(1) IoT住宅(1) IoT建材(3) IoT忘れ物(1) IoT文具(1) IoT決済(1) IoT電球(2) ITOP(1) LINE(6) LPWA(46) O2O(1) siri(1) VR(4) イベント(3) インタビュー・体験(30) ウェアラブル(48) クックパッド(1) コネクテッドカー(11) シェアサイクル(2) シェアハウス(1) シェアリングエコノミー(5) スポーツ(3) スマートウォッチ(10) スマートカメラ(1) スマートキッチン(1) スマートグラス(2) スマートシティ(55) スマートスタジアム(1) スマートスピーカー(21) スマートディスプレイ(2) スマートトイレ(1) スマートホーム(124) スマートホームガジェット(1) スマートホームデバイス(1) スマートミラー(2) スマートライフ(1) スマートロック(13) スマート保育(1) スマート家電(1) スマホ決裁(1) タクシー(2) トイレ(1) ヒアラブル(1) プレスリリース(1) ペット(2) ヘルスケア(13) ヘルスケアIoT(1) ホームIoT(1) ホステル(1) ライドシェア(1) ロボット(2) ロボット家具(1) ワイヤレス(1) 医療(1) 口腔ケア(1) 子育て(1) 宅配ロボット(1) 展示会(1) 未来の家プロジェクト(2) 横浜市(1) 美容機器(1) 翻訳機(1) 自動運転(6) 見守り(20) 農業IoT(1) 顔認証システム(1)
未来の家をつくるために役立つ情報を紹介
未来の家プロジェクトからのお知らせ
PROJECT MEMBER
参画順

横浜市

「未来の家プロジェクト」は横浜市が立ち上げた「I▢TOP(アイトップ)横浜」の個別プロジェクトの一つであり、IoTスマートホームを用いた実証実験を通じて、高齢者の独り暮らしや災害時の対応といった社会課題の解決や新規ビジネス創出を目指します。また、横浜市は本プロジェクトに協業していただける企業への呼びかけや実証実験の場の提供に向けた調整を行います。

I▢TOP横浜とは、横浜市が2017年4月に立ち上げた横浜経済の強みである「ものづくり・IT産業の集積」を活かし、IoT等を活用したビジネス創出に向けた交流・連携、プロジェクト推進、人材育成等の場となる「IoTオープンイノベーション・パートナーズ」のことです。

株式会社NTTドコモ

様々なメーカーのIoT機器を一元的に管理、制御可能なIoTアクセス制御エンジン技術を、セミナーなどを通じて提供するとともに、実証実験施設として「IoTスマートホーム」を提供しています。また、IoT機器メーカーなどと協力し、IoTアクセス制御エンジン技術を活用した数多くのIoTサービスの創出を支援してまいります。

and factory株式会社

日本初のスマートホステル「&AND HOSTEL」のプロデュース経験とプラットフォームアプリ「&IoT」の開発実績を活かし、IoTスマートホームの居住者のユーザー体験設計と、居住者に便利に快適に生活してもらうためのアプリ開発を行っております。また、今後協業する企業との事業検討、企画を行い、実証実験から事業化を推進し、IoTスマートホームを普及させていく役割を担っています。

富士通コネクテッドテクノロジーズ

長年のスマートフォン開発で培ったセンシング技術、音声認識技術を応用し、居住者に健康な生活を送っていただくために、居住者の健康状態(ストレス、血管年齢、心拍数)を測定しアドバイスを提供するデバイスを開発を行いました。健康をアドバイスするエージェントデバイスをIoTスマートホーム内に設置しております。

相鉄グループ

相鉄沿線での低未利用地を活用し、実証実験の場を提供するほか、相鉄グループの各事業との連携も含めて協力してまいります。相鉄グループは、”相鉄いずみ野線沿線 環境未来都市”「誰もが住みたい、住み続けたいと思える持続可能なまちづくり」に取り組んでいます。 今後も沿線の魅力や暮らしやすさを高める取り組みを関係者と一体となって実施してまいります。

凸版印刷

凸版印刷は、「住まいは、くらす人と対話する存在へ」をコンセプトに「トッパンIoT建材シリーズ」を開発しております。本プロジェクトでは、開発中のトッパンIoT建材シリーズをIoTスマートホームに導入し、さりげなく「見守り」、「居住者が家と対話」をしながら便利にくらすなど、建材としてストレスフリーな生活を支える検証をしてまいります。

foo.Log

自社サービスで蓄積した食事に関する膨大な記録データと東京大学と共同研究している最先端の画像解析技術を元に写真に写った食事メニューを推定する機能と食事に関連するアドバイスを提供する機能をIoTスマートホームに提供しています。今後はIoTスマートホームで蓄積した新たなデータから、IoT機器と連携した使いやすい機能の開発を進めて参ります。

資生堂

デバイスで操作できる化粧品吐出デバイスを設置し、他の各種環境センシングおよび生活行動ログ等との関連性を検討することで、美容のよい空間をづくりを目指してまいります。

グリーンブルー

環境調査、環境モニタリングで培った測定技術をベースに、各種測定器、センサーを用いて、IoTスマートホーム居住者の日常生活に伴う環境影響(PM2.5、CO2、VOC等)を測定し、収集データの解析・評価をしています。快適な住環境の創造に向けて、“空気”の視点から各社デバイスとの関連性を追究し、新サービスの創出に取り組んでまいります。

三和シヤッター工業

社会のニーズや生活スタイルに適応した商品をラインナップすることに積極的に取り組み、より良い未来の住環境づくりに協力したいと考えております。本プロジェクトでは各種デバイスで操作できる窓シャッターを提供しています。

SMK

これまでのコネクタ、タッチパネル、スイッチ、リモコン、RF通信モジュールなどの主力ビジネスに加え、最近の取り組みとして、パートナー様との協業やオープンイノベーションの推進によるIoT関連の新規事業創出を積極的に進めています。本プロジェクトでは、BLEを利用した「見守りセンサー」を設置し、お部屋にいる方の活動の有無や出入りをモニターするシステムをご提供しております。

アイホン株式会社

アイホンはインターホン専門メーカーとして、住まう人一人ひとりが快適で安全に過ごせるコミュニケーションシステムを提供しています。このプロジェクトではIoTスマートホームとインターホンがつながることで新たなサービスを創出し、魅力ある製品開発へ活かしてまいります。

株式会社アロマジョイン

世界初の香り制御装置「アロマシューター」の開発・製造及び販売

株式会社ニチベイ

当社は、ブラインド・ロールスクリーンと間仕切りの専門メーカーです。光と熱のコントロールを通じて「快適な住空間づくり」に取り組んでいます。本プロジェクトでは、当社の電動製品を様々な機器と連携することにより、窓まわりのIoT化に貢献してまいります。

株式会社フィッツコーポレーション

「豊かさが香るものづくり」をビジョンとし、オリジナルブランドのフレグランスアイテムの企画開発・販売、海外ブランドの日本正規代理店として輸入・販売を行う。現在約40ブランドを取扱い、百貨店からコンビニエンスストアまで幅広い流通展開が特徴。現在、「快適な眠り空間をサポートする香り」を杏林大学脳科学 古賀教授とともに、「眠りと香り」について被験者テストなどを通じて開発中。