2018-04-30

高齢化社会で求められる在宅医療を加速させるシステム

在宅医療が求められる超高齢化社会

超高齢社会が現実のものとなり、さらに進展する中、医療は「治す医療」から、「治し支える医療」へと大きな転換の時代を迎えている。とりわけ2025年には団塊の世代(約800万人)が75歳以上の後期高齢者となると共に少子化による労働人口の減少は深刻で、医療や介護サービスの供給が追い付かなくなる状況は喫緊の課題となっている。

高齢者向けマーケットの市場規模も101.3兆円、うち医療・医薬産業は35兆円、介護産業は15.2兆円との予測(みずほ銀行、みずほ産業調査 Vol.39 2012年発行「特集:日本産業の中期展望」より)もあり、さまざまな企業による取り組みが行われている。

また、2018年2月に厚生労働省の中央社会保険医療協議会から公表された2018年度診療報酬改定では、「オンライン在宅管理料」や「遠隔モニタリング加算」などが新設された。政府は医療施設での療養から在宅医療への転換を推進しており、医療機関は患者が在宅でも安心して生活できるような環境を整える必要が出てきている。

そんななか、AI・IoT・ビッグデータプラットフォームを提供するオプティムは、社会医療法人 祐愛会織田病院(以下 織田病院)にて2016年10月26日より実証実験を行なっている、AI・IoTを活用した在宅医療支援サービス「在宅医療あんしんパック」を、オプティムのサービスラインナップとして正式に販売するにあたり、「Smart Home Medical Care」とサービス名称を改め、全国の医療機関向けに提供開始する。

Smart Home Medical Careが備える機能

「Smart Home Medical Care」は、高齢患者でも普段から慣れ親しんでいるテレビと、バイタルセンサーなどのIoT機器を用いる。患者は、複雑な操作をすることなく、普段と変わらずテレビを見ているだけで本サービスを利用することができ、テレビ画面上で医師の顔を見ながらビデオ通話が行なえる。

また、さまざまなバイタルセンサーと連携して、機器から取得されたバイタルサインを共有できるため、自宅に居ながらも院内で医師や看護師に見守ってもらっているような状態を実現することが可能。

さらに患者だけではなく、利用する医療機関は、患者の方の介護状況管理や訪問介護に従事しているスタッフの位置情報や業務状況の管理も行えるため、業務の負荷軽減や効率化を実現し、在宅医療のサービス向上が実現できるという。

「Smart Home Medical Care」は、以下の機能を備える。

●お声がけ機能
医療機関から患者に通話を発信すると、患者が利用しているテレビ(対応機種)やタブレットが自動的に応答しビデオ通話を開始することが可能。

 

●環境管理機能
室温センサーを用いて、患者宅の室温を管理することができる。室温が一定の温度を超えると、医療機関側に緊急アラートが通知されるため、夏場に多い患者の熱中症予防に繋げることが可能。

●体調管理機能
ヘルスケア機器やバイタルセンサーを連携することで、バイタルデータを医療機関で管理できる。

●ダッシュボード機能
患者の情報やお声がけ対応状況を一覧で確認することができる。環境管理機能で通知された緊急アラートやこれまでのアラート件数推移も、グラフによって一目で分かりやすく確認することが可能なため、業務全体の概況を把握することができる。

●患者管理機能
患者の入退院状況や機器の利用状況、お声がけ管理などを一元管理できる。

●動態管理機能
医療機関に従事するスタッフのタブレット所持情報や、現在位置や作業進捗などの訪問状況を管理できる。

 

今後の展望

◆実証実験結果の分析および改善
織田病院での実証実験にて得られたデータを基に、品質改善・機能向上を進める。また、新しい機能開発や機器の連携などに関して、織田病院などで引き続き実証していく。

◆ナースコール機能の搭載
患者からナースコールを行うことにより医療機関に通知され、患者からの呼び出しを知ることができる機能。双方向のコミュニケーションを実現し、患者の安心感を高められる。高齢患者からの利用性を向上するため、これまでの構想にあったスマートウォッチを使用したナースコール機能を、誰もが直感的に使える物理ボタンでも利用可能とすることとしている。

◆さまざまなヘルスケア機器やバイタルセンサーとの連携
患者の体調管理において、今後もあらゆるヘルスケア機器やバイタルセンサーを連携することで、患者様を多角的に見守ることを可能にし、在宅医療の質を向上させる。

◆AIカメラの搭載
自宅にAIしか閲覧できない「AIカメラ」を設置し、取得した映像を「OPTiM Cloud IoT OS」に搭載されているAIを用いて解析することで、転倒動作や長時間不在などの異常を検知できるようにする。AIカメラはプライバシーに配慮しており、基本的に映像はAIのみが見守りをする。異常を検知した時は「OPTiM Cloud IoT OS」から病院や家族へ通知し、家族の許可を得た上で、初めて病院から映像を見ることができる仕組みとなっている(特許出願中)。今後、これについて有用性を実証していくとしている。

記事提供元

IoT Today
http://iottoday.jp/

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