2018-03-22

2020年、スポーツ観戦は選手と同じ目線で楽しむ

先端映像技術を取り入れるオリンピック

4年に一度のウィンタースポーツの祭典、冬季オリンピック・パラリンピック。韓国・平昌で行なわれた今大会では、オリンピックで日本史上最多となるメダル獲得に沸いたのは記憶に新しい。

そんなスポーツの祭典では、現場の臨場感を伝えようと様々な先端映像技術が取り入れられるが、今大会で注目すべきはなんといっても"VR”の活用だろう。

オリンピックでのVRといえば、オリンピック放送機構(OBS)は2016年のリオデジャネイロ大会の際に史上初のVRコンテンツ制作を試験的に実施している。今大会ではホスト映像としてVRライブ配信も行なう初めての取り組みとなった。

NBCスポーツのほか、ユーロスポーツやNHKといったパートナーにVRコンテンツを提供。日本では「NHK VR」内でコンテンツを視聴できる。今回、OBSはインテルとともにVRコンテンツを制作した。インテルの「True VR」という多数のレンズを備えた専用カメラを用いて撮影。開会式・閉会式、アルペンスキー、スノーボード、フィギュアスケートなどの主要種目のライブ配信を行なった。

インテルは2024年までオリンピックの最高位スポンサーとなっており、今後の大会でもVRの活用が期待される。

どこでも、どこからでも見られる

平昌オリンピック・パラリンピックのように、近年ではテクノロジーが融合することによって新しいスポーツ観戦のスタイルが生み出され始めている。その動きは日本でも始まっている。

過去にIoT Todayでも報じたように、キヤノンは「自由視点映像」に取り組んでいる。自由視点映像とは、スポーツのプレイフィールドを取り囲むように配置した複数のカメラを同期して撮影し、そこから高精度の3D空間データを構築したもの。視聴者はその3D空間内で仮想カメラを動かすことで、フィールド内を自由に飛び回ったり、選手と同じ目線に立ったりといった様々な視点から好みの角度で映像を見られるようになる。これによって、あたかも視聴者はその場にいるかのような疑似体験ができるというものだ。

映像事例:Jリーグ公式戦(2016年11月3日:川崎フロンターレ対ガンバ大阪 神奈川県・等々力陸上競技場)

Free Viewpoint Video (CanonOfficial)

同様の「自由視点映像」はKDDIも撮影システムの開発に成功。KDDIではさらに、音のVRも可能にしたという。しくみは映像と同様で、複数のマイクを配して収録した音場の空間的な広がりを保持しつつ、任意の範囲にリアルタイムにズーム可能というもの。視聴者の視野合わせた音場の再現が可能となり、臨場感がさらに増すことだろう。

また、NTTドコモはJリーグとトップパートナー契約を結び、同社のAR/VRを使ったサービス開発を進め、全国約2400店のドコモショップとJリーグが連携したサービス提供を見据えて協力するとしている。これによって、例えば、ARグラスを用いることで、選手の心拍数や走行距離などのデータをリアルタイムに表示しながら観戦できたり、スタジアムにいなくとも、VRで臨場感あふれる映像を視聴できたりする。

日本のスポーツ動画を配信するジェイ・スポーツでは「J SPORTS VR」としてVR動画の配信を行なっている。選手目線でスポーツを観戦できる360度動画のほか、仮想空間内で巨大なスクリーンで観戦できる。また別途、他の人と一緒に観戦できるソーシャル機能も開発中とのことで、これが実装されれば友人や家族などと一緒に仮想空間内で盛り上がることができるようになるだろう。

ジェイ・スポーツが開発中のソーシャル視聴機能

スタジアムでもスマート化が進む

テクノロジーとスポーツの融合はスタジアムの中でも進む。ここ数年、米国を中心に「スマートスタジアム」が注目を集め始めているのだ。スマートスタジアムは、Wi-FiやBluetoothなど通信環境を備え、様々なサービスを観客に提供するもの。観客はインターネットはもちろん、試合の映像やチーム・選手の情報の配信などを閲覧できる。また、座席案内や自席へのフードデリバリー手配、トイレの混雑情報なども受け取ることができ、来場者が快適に過ごせるようになっている。

日本では、NTTグループが「NACK5スタジアム大宮」のスマート化を実施しており、高密度Wi-Fiを敷設。J1リーグの大宮アルディージャの試合では、国内初となる規模(1.5万人)に対するWi-Fiマルチキャストによるライブ配信などを行なった。

日本政府でも2016年6月に閣議決定した「日本再興戦略2016」の中で、スポーツ市場規模を2015年の5.5兆円から2020年までに10兆円、2025年までに15兆円へと拡大することを掲げている。その柱となる方針の1つに「スタジアム・アリーナ改革」をうたっており、今後ますますスタジアムのスマート化・サービスの多様化が進んでいくことが期待される。

観戦場所を問わずに進むスポーツ観戦とテクノロジーの融合。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、さらに多くの観戦スタイルが我々を楽しませてくれるのかもしれない。

記事提供元

IoT Today
http://iottoday.jp/

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